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「清算価値保障の原則って何…?」
「財産があると個人再生できないの…?」
「清算価値保障の原則」は、借金問題を解決するため個人再生を考えている人にとって、一度は耳にしたことがある言葉だと思います。
難しい言葉だし、内容もわかりづらいですよね。
清算価値保障の原則とは、簡単に言うと、「個人再生をするにあたり、自己破産をしたときと比べて、銀行や消費者金融などの債権者が損をしないように保障する取り決め」のことです。
ここでは、そもそも清算価値とは何か、清算価値保障の原則とはどんなものなのか、そしてどんな財産が対象になるのかなどについて、わかりやすく解説していきます。
では、前でお話ししたように、「債権者が損をしないように保障する取り決め」とは、具体的にどういうことなのでしょうか?
そもそも、個人再生では、法律によってあらかじめ決められた基準額まで、借金を大幅に減額することができます。
この基準額を、「最低弁済額」と言います。
わかりやすく言うと、「この金額を払えば、残りの分は免除してあげるよ」という下限の金額になります。
民事再生法第231条第2項には、以下のように最低弁済額が定められています。
例えば、借金が80万円なら最低弁済額はそのまま80万円、借金が300万円なら100万円、借金が1000万円なら200万円になります。
しかし、この最低弁済額は、あくまで清算価値を上回っている場合にのみ適用されます。
では、清算価値とはいったい何なのでしょうか?
清算価値とは、簡単に言うと、あなたの財産などをすべて現金に換価(換金)して清算した場合の価値のことです。
例えば、住宅や車、銀行口座の預金、株などの有価証券、などの財産を売って、現金にしたらいくらになるかということです。
もしあなたが自己破産をした場合は、これらの財産はもちろん処分して清算しなければなりませんよね。
もっと言えば、清算価値とは、「仮に自己破産をした場合、債権者(銀行や消費者金融)に分配されるはずだった金額価値」と言い換えることができるのです。
個人再生では、少なくともこの清算価値を、最低弁済額が上回っていなければならないとされています。
このように、個人再生では、債権者(銀行や消費者金融)を守るため、「少なくとも清算価値を上回る金額が弁済されること」という原則があります。
これを「清算価値保障の原則」と呼んでいます。
この保障がなければ、債権者の立場からすれば、債務者(あなた)に自己破産ではなく個人再生をしてもよいと認める理由がありません。
債権者としては、個人再生によって弁済される金額以上の財産があるのなら、個人再生ではなく自己破産をさせ、もっとお金を回収したいと考えるのが当然だからです。
まとめると、以下のようになります。
清算価値保障の原則とは、個人再生において、債権者(銀行・消費者金融)の保護のため、民事再生法に定められた最低弁済額と、自己破産で債権者が得られるはずだった債務者(あなた)の財産を現金に換価したときの清算価値とを比べて、最低弁済額が少なくとも清算価値を上回るように保障するという原則なのです。
清算価値保障の原則は、民事再生法第174条2項4号にある以下の文言で定められていると考えられます。
「174条2項 裁判所は次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をする。(4) 再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。」
あなたが個人再生で弁済する金額が、もし自己破産をして財産を処分した場合の金額より低かった場合、債権者(銀行・消費者金融)の「一般の利益に反する」ことになります。
そうすると、裁判所から返済計画案(再生計画)の許可が下りません(不認可)。
裁判所から許可が下りないということは、個人再生はできません。
もちろん、借金も減額などはできなくなってしまいます。
つまり、清算価値保障の原則とは、個人再生で財産を処分しないで良い代わりに、債権者にはその財産分以上の金額を返済しましょうという約束なのです。
これにより、債権者は損をしないように守られています。
では、仮に自己破産をした場合に、現金に換価(換金)できる財産には、どのようなものが含まれているのでしょうか?
自己破産をした場合は、理論上、持っている全ての財産が換価処分(換価し清算)の対象となります。
例えば、住宅や車、貯金や現金などは、処分の対象となることがあります。
自己破産では、換価したときにある程度の金額になる財産が、処分の対象となります。
しかし、実際には、全ての財産が処分されるわけではありません。
せっかく自己破産をして借金が無くなったとしても、財産がすべて処分されてしまっては、その後の生活ができなくなるからです。
この換価処分の対象にならない財産が、「自由財産」です。
自己破産をしても処分しなくてよい財産のことを、「自由財産」と言います。
破産法上、以下のものが自由財産にあたります。
例えば、20万円の預金、生活に必要な衣服・寝具・家具、食料や燃料などが、これに含まれます。
これらの自由財産は、破産した場合でも換価処分の対象とはなりません。
そのため、清算価値にももちろん、自由財産は含まれないということになります。
では、自分の持っている財産の清算価値を計算するには、どうすればよいのでしょうか?
自己破産をした場合、あなたの持っている財産(自由財産以外)は、換価処分(現金に換金し清算)され、債権者(銀行や消費者金融)に配当されます。
その割合を配当率と呼びます。
個人再生においては、仮に破産をした場合にどのくらいの配当がなされていたのかを予想して計算し、それ以上の金額を弁済しなければなりません。
これが、先ほどの清算価値保障の原則ですね。
しかし、この清算価値や配当率を自分で適切に計算したり予想したりするのはとても大変です。
もし時価である程度の価値がある財産を持っているのなら、弁護士などの専門家にするのがよいでしょう。
個人再生においては、裁判所によって認められた弁済計画(再生計画)に沿って、定められた金額を弁済していくことになります。
これを「計画弁済総額」と言います。
計画弁済総額は、「最低弁済額」と「破産をした場合の配当予想額(清算価値)」のどちらか高額な方を、上回らなければならないとされています。
この条件を満たしていない場合、再生計画は認められなくなります。
これまでお話しした清算価値保障の原則があるので、最低弁済額は清算価値を上回っていなければならないはずです。
したがって、計画弁済総額は最低弁済額を上回っていればよいということになります。
つまり、最低弁済額は計画弁済総額の下限であると言うことができます。
しかし、これは給与所得者以外の小規模個人再生と呼ばれる個人再生における場合です。
給与所得者の場合は、それらに「2年分の可処分所得」を加えた3つの中から最も高額なものを上回らければならないとされています。
例えば、(住宅ローンを除いた)借金の総額が1000万円あった場合、
ならば、給与所得者以外(小規模個人再生)では200万円以上、給与所得者では300万円以上が、計画弁済総額になります。
給与所得者の再生計画では、この可処分所得が高額となるため、実際にはこの金額で弁済額が決まることが多くなります。
個人再生において、最低弁済額が清算価値を上回っていなければならないという決まりを「清算価値保障の原則」と言います。
この原則によって、銀行や消費者金融などの債権者は、自己破産で配当されるはずの金額(清算価値)よりも多くの金額が弁済されることが保障されています。
これは、債権者に個人再生をすることについて納得してもらうための約束ということです。
この原則が守られていなければ、裁判所から個人再生は許可されません。
仮に自己破産をした場合の清算価値の計算は、住宅や車、貯金などある程度の金額になる財産が対象となります。
その後の生活に必要最低限となる、自由財産は含まれません。
清算価値の正しい評価は難しいので、弁護士などの専門家に相談するのがよいでしょう。
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